逆境に見舞われてもポジティブな要素を追求すると、「いずれ状況が好転し、よりよい時期が来る」と確信することができる。その結果、あなたは粘り強さを発揮し、楽観的な姿勢で努力を重ねる。

 ある研究によると、感謝の日記をつけるとポジティブな姿勢が5%アップするという。別の研究によると、感謝の日記をつけると楽観主義が15%アップすると指摘されている。

(5)安心感をもたらす

 持っているものに感謝すると、人生の素晴らしさに気づき、今後もよいものに恵まれると確信することができる。その結果、世の中が自分に味方してくれていると感じ、安心を得ることができる。

人間関係を修復するには
感謝の心を持つ必要がある

(6)愛と幸せをはぐくむ

 心の中が温かい愛であふれると、すべての人と喜びを分かち合いたくなる。私たちが人生で抱える問題の大半は、身の回りのものに不平を言う癖から始まり、やがてそれは愛する人たちに対する冷淡な態度につながる。

 不平を言う癖を直して感謝の心を持つ習慣を身につけると、愛する人たちにより親切になり、辛抱強く接することができるから、壊れかけた関係を修復するのに役立つ。愛する人たちに囲まれて仲よく暮らせば、満ち足りた思いで幸せな人生を送ることができる。

(7)結婚生活の危機を防ぐ

 よくありがちなことだが、愛情が冷めると結婚生活がうまくいかなくなる。その結果、お互いに不平不満を言い合うようになり、相手の長所に気づかなくなる。

 心理学で「ロサダ比」というのがある。「感謝と不平の比率」のことで、2005年に心理学者のマーシャル・ロサダ博士とバーバラ・フレデリクソン博士によって発表されると大きな反響を呼んだ。

 この比率の計算方法は、夫婦間におけるふだんのやり取りの中で、感謝や激励、支援などのポジティブな感情の数を、皮肉や嘲笑、非難などのネガティブな感情の数で割ることである。

 多くの研究がロサダ比を検証した結果、この比率が0.9以下なら、ネガティブな感情がポジティブな感情より多いから、結婚生活は破綻に向かいやすく、場合によっては離婚にいたると指摘されている。一方、この比率が5.1以上なら、結婚生活はすこぶる順調で、とても満足のいく関係を築くことができる。