「まるで、キツネにつままれた気分だ」──。札幌市で、メガソーラー用の土地開発を手がけるリアルマジシャンの高橋大介代表は、4月17日夜に事務所に届いたファクスを見てぼうぜんとした。
送り主は、北海道電力。高橋代表が申し込んだメガソーラーが接続容量の限界に達しており、申し込み上位の案件が確定した場合に「接続をお断りさせていただくことになります」と記されていた。
Photo by Jun Morikawa
高橋代表は昨年7月、1万1500キロワットのメガソーラー建設のため、日高町内の土地を9000万円で購入していた。1月からは接続協議を始めており、申し込み順位も2000キロワット以上では87件中22番目だったため、接続できる可能性を信じていたという。
だが、北電は17日、送電容量の問題で、受け付けた156万キロワット分の計画のうち約4分の1に当たる40万キロワットしか接続できないと公表。リアルマジシャンの計画も、わずかに上限を超えた順位に位置していたことが判明した。
「北電によくよく聞くと、37万キロワットぐらいしか接続できないようだ。せっかく『全量買い取り』という言葉を信じていたのに」
北電と経済産業省はメガソーラーに蓄電池を設置することや、2000キロワット未満に容量を減らすことを推奨しているというが、高橋代表は「精査した上で今後の対応を考える」と言う。
北電と経産省は昨年12月の時点で、接続容量が40万~60万キロワットにとどまるとの見通しを公表していたため、リアルマジシャンのように、土地の購入まで進めていた案件は多くないようだ。だが、北電管内では、ソフトバンクやオリックスなどの大企業も案件を計画しており、各社の影響は決して小さくなさそうだ。