会社やチームのリーダーとして、いま、求められているリーダーとはなんだろうか? 責任をとること? 部下やメンバーの話をよく聞いて、仲を深めること?
『リーダーの言語化 「あいまいな思考」を「伝わる言葉」にする方法』の著者である木暮太一氏は、リーダーの本来の役割は、どこに向かって進むべきかを「言葉で明確に伝えること」だと話す。本記事では、木暮氏に「言語化」について教えてもらう。
言いたいことを明確にできないのはダメリーダー?
自分が言いたいことを明確に言葉にできないリーダーがいます。
明確に伝えなければいけない、と感じながらも、どうしても言葉として出てきません。ではこのリーダーは本当に「ダメなリーダー」なのでしょうか?
拙著『リーダーの言語化』には、リーダーは勝つための作戦を明確にし、メンバーに明確に指示をしなければいけないと書きました。プロスポーツで考えれば監督(リーダー)が作戦とアクションを選手(メンバー)に伝えるのは当然で、ビジネス現場でもそれが行われていなければいけません。
しかし、それができないリーダーは何も価値がないのかと言えば、そうではありません。言語化できないリーダーは「すごい力を秘めている」と感じています。
明確にできない分、これまでいろんなことを考え、メンバーに最大限に気を使いながら伝え、何とかチームをまとめてきました。おそらく人一倍考え、人一倍努力をしてきたのだと思います。もしそんなリーダーが「明確に言語化するスキル」を身につけたら、どれだけすごいことになるでしょうか?
もちろん、チームが成果を出せないのをメンバーのせいにしているリーダーは反省しなければいけません。ですが一方で、自分ががんばらなきゃと考えて努力してきたのであれば、残るは「言語化」だけです。自分は言語化できないから、ビジネスリーダーとして無価値だと思わずに、「伸びしろがたくさんある」と感じてもらいたいのです。