会社やチームのリーダーとして、いま、求められているリーダーシップとはなんでしょうか?
責任をとること? 部下やメンバーの話をよく聞いて、仲を深めることでしょうか?
『リーダーの言語化 「あいまいな思考」を「伝わる言葉」にする方法』の著者である木暮太一氏は、リーダーのすべきことは「言語化」であると言います。
本記事では、本書より一部を抜粋・編集し、なぜリーダーに言語化スキルが必要なのか、そして「言語化できていない会議で起こること」についてご紹介します。
社内のコミュニケーションは、
じつはほとんど言語化されていない
現状、かなり多くのビジネスシーンで会話や指示が言語化されていない、つまり「明確になっていない」と感じます。
ぼくが所属していた組織でも、成果がイマイチのときにはいろんな対策がされていました。チーム内の意識がそろっていない、お互いが理解し合えていない感じがあると、「コミュニケーションの機会を増やそう」、「リーダーの聞く姿勢を強化しよう」、「多様性に配慮しよう」などなど、いろいろな案が出ていました。
しかし、仮にそれらを実行しても、ほとんど効果が感じられませんでした。理由は、施策自体が「あいまいだから」です。
「会議に出ること」が仕事になっていないか?
そもそも日本社会では、仕事の定義がかなりあいまいです。企業に就職して与えられる業務ミッションもかなり範囲が広く、あいまいです。何をすべきかが明確にはなっておらず、強いて言えば「社員一丸となって、うまくやること」が業務範囲でしょう。
ですが、当然ながらこれは「すべきこと」を言語化したことになりません。業務内容が言語化されていないので、ぼくら自身も何をしていいのかわかりません。
ぼくが若いときもそうでした。何をしていいかわからないので、ひとまず会議に出ます。会議に出ていればなんとなく仕事をした感じになれますし、何より時間を埋められます。本来、会議をしただけでは何も価値を生みませんが、自分がすべきことを明確に意識できていないので、価値を生んでいないことに気づきません。