企業への貸し出しや手数料収益といった、銀行の本業の力を測る本業利益率。中国地方の5県に愛媛県と高知県を加えた7県に本社を置く、13の地銀の本業利益率を算出。数字の低い順に並べたワーストランキングを作成した。特集『新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組』の#14で、ランキングを公開するとともに、上位にランクインした各行の足元の業績を解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
SBIグループの“お手並み”は?
中国地方+愛媛・高知計7県の本業利益率
ここ数年の中国地方の地方銀行を語る上で欠かせないのが、SBIホールディングスだ。2019年9月、同グループは島根銀行(島根県)に約34%出資し、直後から運用体制の改革や役員の派遣など、経営に関与してきた。全国の地銀関係者は、その様子を“お手並み拝見”とばかりに注目していた。
それから5年。島根銀行の業績は一時の危機を脱している。単体のコア業務純益は、SBIグループ出資直前の19年3月期、3億8900万円の赤字に転落していたが、21年3月期に8億8700万円まで回復。安定的に黒字を確保できる状況になった。
ではこの間、他の中国地方の地銀はどうだったのか。ダイヤモンド編集部では、海外金利が上昇し始めた22年3月期から25年3月期中間決算までの3期半の、地銀の本業力を分析。24年3月期は国内金利が上昇したタイミングだったため20点を配点して50点満点で点数化し、点数の低い順に並べたワーストランキングを作成した。
対象の銀行はメガバンクを含む都市銀行と地銀、第二地方銀行、埼玉りそな銀行、あおぞら銀行の合計103行で、財務データはQUICKの協力を得て、「QUICK Finer Compass」から取得した。
本稿では、中国地方の5県に、愛媛県と高知県を加えた7県に本社所在地がある、13の地銀を対象にしたランキングをお届けする。四国の2県をランキングに加えたのは、中国地方の経済の中心地である広島県や岡山県へ、愛媛県や高知県の地銀が進出するケースがあるからだ(本特集#6『【地銀98行「本業利益率」ワーストランキング】富山勢が苦戦、一方で関東勢を押しのけてベスト3に入った九州・中国の銀行とは?』参照)。
果たして、13の地銀の3期半の本業利益率の序列はどうなったのか。早速次ページで公開する。