金利上昇時代に突入し、銀行の本業が復活し始めた。だが、どの銀行も等しく業績が向上するわけではない。そこで銀行103行の2022年3月期から25年3月期中間決算までの3期半の財務データを分析し、「本業利益率」を算出。ワーストランキングを作成した。特集『新・銀行サバイバル メガバンク 地銀 信金・信組』の#6では、事業環境が好転した中でも先行きの厳しい銀行をあぶり出した。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
金利上昇時代に突入!
明暗分かれる「本業利益率」
2016年のマイナス金利政策の導入は、銀行の実力差を見えづらくするものだったともいえる。銀行の本業である企業・個人への貸し出しや有価証券運用による利益は、マイナス金利によって、銀行の実力とは関係なく低迷することになったからだ。
だが、マイナス金利解除後は違う。本業から得られる利益の多寡は提案力や交渉力、リスク管理能力によって差が出ることになる。また有価証券の運用についても、巧拙によって運用損益に差が出るだろう。
そこでダイヤモンド編集部では、企業や個人への貸し出し、金融商品の販売や企業へのコンサルティングなどで得られる手数料を地銀の「本業力」と捉え、各期の財務データを分析し、ランキングを作成した。
算出の対象としたのは、海外金利が上昇する22年3月期から25年3月期中間決算までの3期半。24年3月期は国内金利が上昇したタイミングだったため20点を配点し、50点満点で点数化した。ランキングでは、点数の低い順に並べ、ワーストランキングとしている。
対象の銀行は、メガバンクを含む都市銀行と地方銀行、第二地方銀行、埼玉りそな銀行、あおぞら銀行の合計103行で、財務データは「QUICK Finer Compass」から取得した。青森銀行とみちのく銀行は25年3月期中間決算で取得できる単体決算数値が不足しているため除外している。なお、ランキング作成の際には、メガバンクなどの大手銀行は地銀とビジネスモデルが大きく異なるため、順位は付けずに参考値とした。
ワースト上位にランクインした地銀勢とは?またワースト下位、すなわち本業利益率が高く、勝ち残る力がありそうな地銀はどこなのか。次ページで一挙公開する。