2024年の株主総会は、過去最多の株主提案が行われるなど、大いに盛り上がった。そこで全国の地方銀行において、選任議案の対象となった頭取の賛成率を集計。ワーストランキングを作成した。最も低かった地銀はどこか。PBRやROE、配当性向などの指標と併せて分析した。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
6割超の頭取の賛成率が悪化
賛成率ワースト1位は?
2024年の株主総会は、過去最多となる91件の株主提案が行われるなど、大いに盛り上がった。そこで、全国の地方銀行において、選任議案の対象となった76人の頭取の賛成率を集計し、ワーストランキングを作成した。
上場企業の取締役に選任されるためには、株主総会で50%以上の賛成票が必要だ。だが過半数に達すればよいというわけではない。地銀関係者の間では、「株主賛成率が80%を切ると頭取のメンツに関わる」という共通認識があり、地銀が最も“気を使う”指標の一つである。
地銀各行は株主との対話にようやく本腰を入れ始めた。ROE(自己資本利益率)や政策保有株縮減の具体的な数値目標を中期経営計画で導入する地銀が増えている。
それでも、地銀に対する市場の評価は低い。選任議案の対象となった76人の頭取のうち、6割超に当たる49人の賛成率が前年より悪化した。金利上昇期待を背景に、銀行株は直近1年で軒並み値上がりしたものの、物足りなさを感じている株主の本音が露呈した格好だ。
次ページでは、頭取76人の株主賛成率ワーストランキングを一挙公開する。ランキング表には、賛成率に影響すると考えられるPBR(株価純資産倍率)とROE、配当性向を並べた。
果たして、株主からの評価が低かったワースト1位の地銀はどこか。