(5)政府のコンプライアンス基準は打ち出されるが、抜け穴だらけ。各地で移民の搾取がまかり通る。裁判も起こされるが対応はノロノロで進まず、移民たちの疎外感が高まって一部では治安も悪化してしまう。さらに移民ラッシュのどさくさに紛れて母国で犯罪を犯していた人間が日本に紛れ込み、そのままイリーガルな裏街道へ。メディアは移民の犯罪をより強めに報じるため、「移民が日本の治安を乱す」という誇張されたストーリーが定着していく。

多言語・他人種が混ざった
「シンガポール化」する日本

(6)定住移民が増えて、子どもたちの義務教育が問題化していく。学校に行かない移民の子も増加していくなど課題が増えてしまうと、特に地方の行政は追いつけなくなってしまう。教育を受けない子どもの一部は非行に走り、ギャングに加わる子も当然出てくる。そのため少年少女たちから始まって、その地域ごと荒れてしまうという悪循環が起こる。

(7)入国管理局や警察の人員と予算が不足し、オーバーステイや犯罪被疑者の移民を手荒く扱う。移民コミュニティーには当局への不信が渦巻き、自警団やマフィアなどが成長していく。移民街の一角が「入ってはいけない」無法地帯と化す。移民排斥の運動も一部で盛り上がって、日本人と移民の対立が激化。

(8)その一方で多言語や専門スキルを駆使して日本で大成功する移民も登場する。考えられる例として、若いインド人のITワーカーが合計で数十万人を突破する。最初は少数ながら移民や移民ミックスの議員も当選し、日本社会の「上澄み」では多様化、包摂が拡大していく。外国人排斥を唱えた人には訴えが起こされ、名誉毀損した側が9割負ける。だが、これが「本当のことを言えなくなった」と一部の日本人の間で不満として溜まっていく。