そう感じた直後、高ぶっていた高揚感に暗雲が立ち込めます。

 自分はこのチームの牽引役にふさわしいだろうか。
 場違いじゃないのか。

 足を引っ張るだけじゃないのか。
 ライバルはきっと自分を見ている。

 ダサいところは見せられない。
 負けたくない。絶対に失敗できない。
 絶対に成功させるしかない。

 そう考えると、足がすくみます。

 でもチームを抜けることも、解散させることもしたくはない。
 間違いなく、自分がこれまで経験した中で最高のチームだ。
 このメンバーならきっとすごいことができる。その一員でいたい……。

 ライバルのプロジェクト加入は、まさに最大のエネルギー源となると同時に、最強のプレッシャーにもなり得る。
 
これが最高のチーム作りに伴う代償ということでしょう。

周りに合わせているうちは「モブ」のまま

 チームのことを想い、チームの足を引っ張らないようにするにはどうしたらいいのかと悩む。
 結果、チームに合わせた行動をする。

 周りの真似をして、周りと同じように練習をし、周りと同じような時間を過ごす。

 そんな思考や行動をしている間は、あなたはきっとモブのままです。
「いてもいなくても変わらない存在」のまま。

 自分を周りに合わせている限り、あなたの「役割」は定まりません。
 
逆説的ですが、きっとこれが真実です。

自分の「役割」に集中しよう

 もしあなたが本当の意味でチームに貢献したければ、そんな周りに合わせるだけの行動をすべきではありません。
 
自分がやるべきことをやる。それしかないのです。

 ときに、チーム内でノーマークだった人が存在感を増す瞬間があります。
 完全にモブキャラだと思っていた人が、ここぞというシーンで輝きを放ち、チームのレベルを一段上へと引き上げる。

 少し前までビビっていたように見えたのに、吹っ切れたように自分の仕事をする。
「この人、こんな武器を持ってたんだ」と、心の中で驚愕する。

 そうなるために必要なのは、自分の役割に集中することです。

 結果を意識すると、途端に何も手につかなくなります。とにかくやるべきこと、歩むべき過程に集中しましょう。

(本稿は、書籍『ライバルはいるか?』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)