「チームに貢献するためにすべきことは、たった1つです」
そう語るのは、著書『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』がベストセラーになるなど、メディアにも多数出演する金間大介さんだ。金沢大学の教授であり、モチベーション研究を専門とし、その知見を活かして企業支援も行う。
その金間さんが「働くすべての人に届けたい」との思いで書き下ろした新作が『ライバルはいるか?』だ。社会人1200人に調査を行い、世界中の論文や研究を調べ、「誰かと競うこと」が人生にもたらす影響を解き明かした。挑戦する勇気を得られる内容に、「これは名著だ!」「もっと早く読みたかった!」との声が多数寄せられている。この記事では、本書より一部を抜粋・編集して、「チームに貢献する方法」を紹介する。
重要なプロジェクトを任されたら誰をメンバーに選ぶか
想像してみてください。
あなたは今、仕事において自分史上最大の挑戦となるであろうプロジェクトを任されました。そして、メンバーを決めてくれと言われました。あなたなら、誰を選ぶでしょうか。
まず、普段から仲良くしている同期が真っ先に脳裏をよぎります。これはぜひ入れたい。メンバーの中に気兼ねなく話せる相手がいるのは大事です。
では、いつも優しく接してくれる先輩はどうでしょう。これも必要です。苦しいときほどムードメーカーとなってくれる先輩がいてくれると心強いものです。
そして、もうひとり。
そこまで頻繁に話すわけじゃないけど、優秀で、同じ職場でも最も気になる存在。
そう、ライバルです。
入ってくれたら百人力。きっと自分やメンバーにはない視点をプロジェクトにもたらしてくれる。ベストのメンバーをそろえようと思うなら、チームに入れない選択肢はない。
それに、単純にその人と一緒のプロジェクトをやれると考えるだけでドキドキする。
今までライバルとして切磋琢磨してきた「好敵手」や、まだ敵わないと思いつつ、いつかは追いつくと「目標」にしてきた人と、同じチームになる。まさかそんな日が来るとは思っていなかった。武者震いしたくなるような緊張感が全身を駆け巡る。きっとこれはすごいことになる。
そんな感情が湧き起こって、とてつもなくワクワクする瞬間です。
「チームの一員としてふさわしいか」というプレッシャー
でも正直、不安も大きいでしょう。
意見が食い違うかもしれない。いや、遅かれ早かれ、きっとどこかで対立することになる。
そんなとき、自分の力で皆をまとめられるだろうか。プロジェクトを先へ進めることができるだろうか。
それよりも「こいつは使えない」と思われたらどうしよう。
それだけは嫌だ。一社会人としては失格かもしれないが、プロジェクトの進捗よりも、ライバルに「使えないやつ」と思われることの方が耐えがたい。