堀口先生 1日10本ずつ髪の毛が減っていくとしたら、3日後にはどうなりますか?
マリさん 10×3=30本減っているでしょうか。
堀口先生 そうですね。今、減る方向で考えているので、このように式を立てましょうか。
(-10)×3=-30
となるわけですね。では、3日前ならどうなりますか?
マリさん 3日前ってことは未来ではなく過去だから、-3日とおけばよいってことですかね。
そうすると、
(-10)×(-3)=30
となりましたね。
つまり、過去は30本ほど今より毛量が多かった?
堀口先生 はい、その通りです。マイナスとマイナスのかけ算がこれでできましたね。
企業コストで考えれば
さらにわかりやすくなる!
マリさん すごい。現実に応用できましたね。わかりやすかったです!
堀口先生 もっと事例はありますね。例えば、企業でも様々なコストがありますが、そのコストを減らすと結果的に企業にとってみればプラスに働きます。わかりやすいように具体的に数字を入れてみましょうか。
売上100万円。コストが90万のとき、利益は10万円ですね。
数式に落とし込めば、
100万-90万=10万となります。
では、コストを5万円下げてみましょう。すると、どうなるでしょう。
堀口智之 著
100万-(90万-5万)となるわけです。
2種類計算方法があります。
100万-85万=15万
と、もう一つ。分配法則を使えば、
100万-90万-(-5万)
となるわけですね。この3つ目の項が-(-5万)となります。
-(-5万)=(-1)×(-5万)=+5万と解釈できますから、コストを下げると、利益に対してプラス5万円として働くことは理解できるのではないでしょうか。
マリさん こんな風にマイナスとマイナスのかけ算がプラスになる事例を考えたことはありませんでした。
堀口先生 マイナスをかけるとなったとき、マイナス個ある、という風に解釈されるとよくわからなくなりますが、時間軸で考えてみたり、コストが減る、というシチュエーションを考えてみれば、現実的にも理解できますね。