円安が進んだ2024年
円よりも弱いNZドル
2024年の米ドルはほぼ全面高となり、新興国通貨だけでなく主要通貨に対しても上昇した。上昇率で見ると、米ドルは対円で約12%、対ユーロで約6%、対豪ドルで約9%それぞれ上昇している。英ポンドは米ドルに対して比較的健闘したものの、それでも2%弱の下落となった(原稿執筆・12月25日時点)。
一方、対ドルで円以上の下落をしたのがニュージーランド(NZ)ドルである。NZドルは対ドルで約13%下落する場面もみられ、原稿執筆時点でも約12%と円と同程度の弱さを見せている。トルコリラ、メキシコペソ、ブラジルレアルなど対ドルでの下落率が円よりも大きい新興国通貨はいくつかあるが、主要通貨ではNZドルだけである。
2024年後半のNZドルの動きを確認してみよう。NZドルはドル円が高値を付けた7月頃までは対円でも上昇していた。しかし、日本当局によるドル売り円買い介入を受けてドル円が下げると、NZドル円も一気にNZドル安となった。この結果、NZドル円は7月8日の99円ちょうど近辺(2024年の高値)から8月5日に83円ちょうど近辺(2024年の安値)までと、1カ月弱で16円の大幅安を記録した。
9月に入りNZドルは対ドルで2024年の高値を付けたが、10月からは米大統領選でのトランプ氏優勢の動きや、米利下げペースの鈍化期待などをきっかけとしたドル高が進み、NZドルは対ドルで円を超える下落となった。NZドル円は、円安が対ドルで進む中、86円台から92円台までと6円程度の上昇に留まり、12月には再び86円台に下げるなど軟調な動きを見せた。