明るくて寒い12月上旬のある土曜日の朝、高さ約37メートルの造船所の巨大な入り口に多くの群衆が詰めかけた。そこでは米海軍原子力潜水艦アーカンソーの命名式が開かれ、群衆は公民権運動の先駆者が艦首付近でワインボトルを割る様子を見守った。巨大な黒い潜水艦の下には、機械工であるジョシュア・パウエルさん(18)のような、軍艦の建造・改修を担う労働者が集まっていた。パウエルさんは事務仕事が向いていないと悟り、大学を中退して父と兄が働くこの造船所に入社した。「何か偉大なこと、大きなことの一部になりたかった」とパウエルさんは言う。「これは手を動かす仕事だ。頭で考えるだけでなく、体で感じることができる」。パウエルさんは見習いとして働き、さらに技術を身につけ、最終的には職長や監督になりたいと考えている。
労働者不足、国家安全保障への「隠れた脅威」に
原子力潜水艦の建造は厳しくもやりがいのある仕事だが、給与はそれほど高くない
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