株式相場の歩き方Photo:PIXTA

日経平均株価が5万円を突破する中でも低迷が続いているのが、「高い成長可能性を有する企業」を集めたはずの東証グロース市場。この3月、基準をクリアした「日本を代表する高成長新興企業」を対象とする新指数が発表されるが、低迷脱却に向けた起爆剤となるのか。連載『株式相場の歩き方』の本稿では、米国の「NASDAQ100」に続けとばかりに登場する新指数の内容を明らかにしつつ、新指数を活用した投資アイデアを紹介する。(株式コメンテーター 岡村友哉)

「JPXスタートアップ急成長100」が誕生へ
低迷続くグロース市場の起爆剤となるか

 NISA(小額投資非課税制度)で買い付けされる投資信託ランキングの上位は、海外株で運用する投信ばかり――。1月8日、三菱UFJアセットマネジメントが、NISAで国民的人気となった「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の純資産総額が10兆円を突破したと発表しました。日経平均株価が5万円を超える中でも、投信を買う個人投資家の注目は外国株にあるということでしょう。

 10兆円を突破したファンドは日本国内では初。1兆円を突破したのが2022年2月だったようですから、この4年間の「資金流入」と「株高」「円安効果」の三重奏、すご過ぎますよね。

 米国の代表的な株価指数には「NYダウ」「S&P500」「NASDAQ総合指数」などがあります。中でも個人投資家が特に注目しているのはS&P500です。

 人気面で最強の株価指数はS&P500ですが、米国には市場の「尊敬の的」となるような銘柄を集めたメジャーな株価指数があることをご存じでしょうか。それは「NASDAQ100」です。

 NASDAQ100は、NASDAQ市場に上場する全銘柄の中から、一定以上の市場流動性がある銘柄の時価総額トップ100で組んだ株価指数です。代表的な銘柄はエヌビディア、アルファベット、テスラなどで、年に1回、12月に銘柄入れ替え(=メンテナンス)がなされています。

 株価が上がった(評価を高めた)企業が加わり、逆に株価が下がった(評価を落とした)企業は脱落することが特徴で、残るのは厳選された上位100銘柄だけ。まさに精鋭集団。NASDAQ100指数を対象とした投信も純資産総額を増加させています。

 100銘柄は時価総額トップ100で決めるという潔さも素晴らしいですよね。時価総額(=株価)というのは、全ての投資家による客観的な判断で決まる文句なしの判定基準。「ベテランファンドマネジャーが選びました」などという主観満載の投信とは違います。

 そしてここからが今回の本題ですが、日本にもNASDAQ100と同数、100銘柄に厳選する株価指数がデビューします。その名は「JPXスタートアップ急成長100指数」。指数の算出開始は3月9日予定となっていますが、一体どんな指数かご存じでしょうか?

 その名前からして東証グロース市場に上場する銘柄を対象にしていそうですが、正解です。算出要領は2月中をメドにJPX(日本取引所グループ)が発表するようですが、骨子については25年12月12日付のプレスリリースで開示されています。

 同指数のコンセプトは、「日本を代表する高成長新興企業で構成される指数」だそうです。さて、その銘柄選定方法は?そして、どれだけ期待できるのでしょうか?

3月9日に誕生する「JPXスタートアップ急成長100指数」はどんな指数なのか。そして期待できるのか。次ページでは指数の内容を解説しつつ、指数誕生で恩恵を受ける可能性がある銘柄リストや投資アイデアについても具体的に紹介する。