10年国債の利回りを示す画面=1月28日、東京都内で Photo:AFP=JIJI
過半数割れならいったんは低下も
長期的な財政悪化の方向は織り込み済み
2月8日に投開票が予定される衆院選挙後、長期金利はどう動くのか。
衆院解散報道が1月9日に出てから日経平均株価は一時7%近い上昇となったが、より大きく動いたのは債券市場だ。
特に満期10年超の超長期債、例えば30年物国債金利は解散報道前と比べて0.5%近く上昇し、価格の下落幅は約9%に達した。長期金利の指標である10年国債利回りも20日には一時、2.380%まで上昇した。
欧米の長期金利もこれに影響される形で上昇し、米国のベッセント財務長官が日本の長期金利変動に言及するなど、1月の日本国債市場はグローバル市場で最もホットな市場だったといえる。
積極財政をうたう高市政権が昨年秋に誕生していたことに加え、今回の衆院選は、与野党が経済政策の目玉に、「2年間食料品ゼロ」や「食料品ゼロの恒久化」「一律5%税率」などの消費減税を掲げ、与野党間の議論の中心テーマとなっている。
積極財政への期待感、一方で財政規律弛緩への警戒感などから、10年国債は27年ぶりの高水準となっている。その動向は最大の注目点だ。
選挙結果が、(1)自民党単独で過半数獲得の安定シナリオ(2)自民・日本維新の会の与党で過半数獲得の現状シナリオ(3)与党過半数割れで多党化継続の不安定化シナリオ(4)中道改革連合が比較第1党となる刷新シナリオの4つのシナリオごとに、予測してみた。
安定シナリオでは、高市政権の安定化、長期化への期待から株価が一段と上昇、超長期債金利の上昇、円安加速という1月に見られた動きが一段と進むようだと、日銀の利上げ見通しの強まりとともに、それを受けて長期金利は2.5%を超える可能性も出てきそうだ。
一方で自民単独では過半数割れや、維新との連立の現状シナリオ、多党化継続の不安定化シナリオでは株価下落もあって長期金利はいまの水準よりいったんは低下すると予想される。
だが注意が必要なのは、主要国でもコロナ禍以降、財政拡張や財政規律の弛緩が大きな流れになっていることだ。その意味では、選挙結果にかかわらず、日本の長期金利が「高市政権前」の水準に戻ることはないといえるかもしれない。







