英語を勉強しているのが、いつまでたっても話せる実感が持てない――そんな英語学習者から「会話で使える用例が半端なく多い」と絶賛の声を集める本がある。『話す力が身につく5分間英単語』だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha Jの高橋敏之編集長。この記事では、日々最新の英語ニュースを扱う高橋編集長が、世界で実際に使われている生の英語表現を紹介する。今回は「環境問題」にまつわる新語を見ていこう。

地産地消って英語でどう言う? ニュースで頻出「環境問題の新語」を一気におさらいPhoto: Adobe Stock

環境問題にまつわる最新の英語表現

 世の中が変化していくのに伴って、新たに出てきた事象を表現するための言葉が必要になります。このようにして新語が生まれたり、既存の言葉に新たな用法が加えられたりしていくわけです。

 英語でも、学生時代の試験勉強には出てこなかった表現が次々に生まれていますよ。そうした語句をクイズ形式で楽しく学んでいきましょう(全3回)。

 第3回のテーマは「環境問題対策」です。

>>>前回はこちらバズるを英語で言うと? finsta, FOMOの意味は? SNSにまつわる英語の新語を一気におさらい

「地産地消」を英語で言うと?

■Question 1

空所にlocalをもじった語を入れよう。


Kate is a (    ) and believes in eating locally grown food.

 believe in ~は「~するのがよいことだと信じる」といったニュアンスの表現(拙著『5分間英単語』p.120でbelieveとbelieve inの違いを詳しく解説しています)なので、ケイトは「地元で採れた食材を食べる」という主義があることが分かります。

 これは日本語でも「地産地消」と言いますね。英語で「地元で採れた食材のみを食べる人」という意味を表すのがlocavoreです。

 語彙力がある方なら、carnivore(肉食動物)、herbivore(草食動物)、omnivore(雑食動物)といった語をご存じかもしれません。

 locavoreは、これらの語の後半部分の-vore(「食べる」に関連した意味を表す)とlocal(地元の)を合わせた造語で、localvoreとつづることもあります。「地元で採れた食材を食べる主義」locavorismです。

upcycleってどういう意味?

■Question 2

upcycleの意味は?

 

Here are some great ideas to upcycle old clothes into new fashionable items.

 問題文は「古着を新たなおしゃれアイテムに『アップサイクルする』アイデアを紹介します」といった意味です。

 廃棄物などを再利用するのがrecycle。これに対して、より価値が高いものへと作り替えることを意味するのがupcycleです。

 90年代半ばころから使われ始めた語で、upという部分に「価値が高まる」というニュアンスが込められています。着なくなった古い服をおしゃれな子供服にリメークしたり、廃材を利用してアート作品を作ったりすることなどがこれに当たります。

 特にupcycle A into B(Aを〔より価値の高い〕Bへと作り替える)という形で使うことが多いので覚えておきましょう。「作り替えること」を意味する名詞はupcyclingです。

これがわかれば、あなたの英語力は上級です!

■Question 3

空所に入るbで始まる語は?

 

We use (b       ) materials for packaging to reduce the negative impact on the environment.

 

環境への負荷を減らすため、私たちは生分解性の素材を包装に使用しています。

 日本文と照らし合わせると、空所には「生分解性の」という形容詞を入れればよいことが分かります。

 これは、微生物の働きによって分解される性質のこと。プラスチックなどによる汚染が問題となっている現在、こうした生分解性の素材に注目が集まっているのは言うまでもありません。

 これは英語ではbiodegradableという形容詞で表します。こうした長く難しそうな語は、パーツごとに分解して頭に入れるのがおすすめ。

 まずdegradeは「グレードを下げる、分解する」という動詞。grade(グレード)に「下降」を意味するde-が付いています。この後ろに「できる」を意味する-ableがつながり(その際にdegradeの最後のeが消える)、さらに頭には「微生物」のbioが付いていますね。

 よって、bio・degrad(e)・ableと、3つのパーツとして認識すれば頭に入れやすいかと思います。

 いかがでしたか? 環境問題に関する語句は、時間が経ってもあまり古くならず、数十年前のキーワードが今でも使われることが多いもの(それは環境問題への対策が進んでいないことの証左でもあるのですが)。ここで覚えた語も、この先きっと役立つときがくるでしょう。