ゴールは気にせず、過程を楽しむ

 僕に話しかけてくる人はすごくシンプルですよ。何かやりたいけれど、一歩が踏み出せない人ばかりなんです。ツイッターで感想をくださるのはだいたい18歳から26歳の男性で、「南さんのようなことをやってみたいけど、僕にはやり方がよくわからない。でも、とにかくやってみることにしました」という人が多いんです。そういう感想が来るのはうれしいし、チャレンジしてきてよかったなと思う。

 でも、僕だってビビっているんですよ。僕は冒険家でもなんでもなくて、人間だから躊躇するし、後先を考えるし、いけるかどうかの計算もする。

坂之上 当然ですよね。人間ですから。

 「失敗は怖くないですか?」とよく聞かれますが、僕のロジックは簡単です。「人間はふり返るものなので、ふり返ったときに面白おかしく話せるようなネタができたと思えば、別に失敗してもいいじゃないですか」と答えます。

 たとえば女の子とつきあった話をしてもだれも共感してくれないけれど、告白して失敗してふられたという話には共感してくれますよね。そういうふうに思ったら少し楽になったんです。居酒屋で笑いながら「こうだったんだよ」と言えるようなエピソードになると思えば、一歩を踏み出す勇気が出るような気がします。

坂之上 南さんと私がすごく似ていると思うのは、ゴールはどうでもよくて、一歩を踏み出していく途中経過を思いっきり楽しみたい人だというところですよね。途中経過が毎日楽しい。

 確かに、洋子さんはいつも楽しそうです。怒っているときも楽しそう(笑)。愛情があるから、何を言われても気分が悪くならないんですよね。