起業の苦難や楽しさを「仲間づくり」の視点から赤裸々に描いた『ともに戦える「仲間」のつくり方』の著者、南壮一郎氏。今回は、政府や企業、NPOなどの戦略アドバイザーとして活躍され、2007年には『Newsweek』誌の「世界が認めた日本人女性100人」にも選ばれた坂之上洋子氏との対談の後編をお届けします。2人が考える組織のあり方と“仲間”とは?(構成:朝倉真弓)
自分よりも優秀な人と仲間になる
南 実は、4月14日でビズリーチは4周年を迎えました。ちょうど4年でここまで来られたのはとてもうれしいことだし、誇りに思っているけれども、次の4年でどこまでいけるかのほうが重要です。本を出したのは、一つのフェーズが終わったことの象徴なんです。
米国の大学を卒業後、米国の建築会社で建築コンセプトデザイナーに。ニューヨークの5つ星ホテル、ニューヨーク5番街のGMショールーム、ユニバーサルスタジオのなかのレストランなど、数多くのデザインコンセプトを手掛け、ASIDエクセレント優秀賞などを受賞。のち、米国Eコマースのコンサルティング会社に転職。マーケティング副社長としてIT業界に関わる。その後独立し、ウェブサイトをグローバルにブランディングする会社を設立。15年以上の海外生活後、東京へ。現在は社会貢献系プロジェクトを中心に活動し、政府や大使、企業経営者、NPO代表へのアドバイザリー業務や執筆、講演などに従事。
坂之上 私は、実はどうして会社のみなさんが南さんについていっているんだろうかと不思議に思っていたの。無邪気で少年のように純粋ですけど生意気だし。日本の文化にあってるとはとても思えない。あれ、私ひどいこと言ってません?(笑)
でもね、あの本を読んですごく腑に落ちました。
私も起業したことがあるけれど、当時は自分よりも優秀な人を雇うというのがポリシーでした。いまも基本は同じなんです。絶対に自分よりもできる人としかやらない。南さんもそれを自然に行っているんですよね。
南 本質的なことですよね。でも、自分よりできる人を仲間にするのは怖いという人もいると思う。
坂之上 確かに。でも、私は自分が優秀な人間だとはとても思えないので、自分よりできる人に頼まないと何も進まないってわかっているので、そうせざるをえない。
南 でも、逆も言えるじゃないですか。向こうからも「コイツ、できるな」と思ってもらえる部分を持っていないと、なかなか仲間になってもらえませんよね。
坂之上 たぶんそこが肝かもですね。お互い、自分が持っていない部分を尊重しあう、みたいな。
南 僕からすると、洋子さんはいろいろなプロジェクトに巻き込んでくださる方です。やっているプロジェクトそのものの面白さもありますが、洋子さんの周りでは常に面白いことが起こっているし、面白い人も集まってくる。そんな魅力があるから、ぜひ巻き込まれてみたいと思うんですよね。