がん専門医のレイモンド・マック氏は、その高齢の患者は積極的な治療に耐えられるほど健康だと直感的に思った。マック氏の直感を裏付けるのに役立ったのは、患者の顔写真だった。マック氏が写真を「顔年齢」テストにかけたところ、90歳のその男性の健康状態は60代後半の人に近いことが示された。このテストは、顔に表れる老化の兆候を見つけ出す人工知能(AI)モデルの「FaceAge(フェースエイジ)」で、数万枚に上る患者の写真や公開画像データベースが訓練に使われている。マック氏らのチームが行った研究では、FaceAgeのアルゴリズムはがん患者の余命を予測する上で医師よりも正確であることが示された。マック氏らは、いずれこのツールが健康を調べる標準的な方法として普及することを期待している。オンライン上にはすでにさまざまな顔年齢テストが存在しており、誰でも自撮り写真をアップロードして生物学的年齢の推定値を得られる。
「顔年齢」AIテスト、医師が活用 患者の健康把握に一役
顔写真が人々の生物学的年齢の推定や寿命の予測に使われている
有料会員限定
あなたにおすすめ