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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
中小企業の銀行取引数と経済成長率に高い相関
先進国の中小企業の銀行取引数には、地域ごとの顕著な違いが見られる。欧州の公的機関による2000年代初頭の調査を見ると、1行取引の割合が7割超と高いのは、デンマーク、オランダ、スウェーデンといった北欧諸国と英国である。米国に関しては網羅的な統計がないものの、1行取引が主流であり、その比率は北欧諸国並みかそれ以上だと推察される。
一方、イタリア、ポルトガル、スペインといった南欧諸国では1行取引の比率が3割以下にとどまり、4行以上と取引する中小企業の比率が高い(図表1左)。
日本はどうか。11年の公正取引委員会による調査結果では、平均取引行数は4.9行、1行取引比率は17.5%にとどまり、日本の取引銀行数は南欧地域に近い水準にある(注)。
次に、これらの国の経済成長率を比較すると、興味深い関連性が浮かび上がる。00~19年の平均経済成長率(20年以降はコロナ禍の影響を除くため除外)を見ると、1行取引の比率が高い国は、比較対象の10カ国平均を上回る成長率を示す傾向が認められる(図表1右)。
他方、1行取引の比率が低く、4行以上の取引比率が高いイタリア、ポルトガル、スペインでは、いずれも経済成長率が相対的に低い。この結果から、中小企業の取引銀行数と当該地域の経済成長との間には、関連性が存在する可能性が高いことが分かる。








