ちなみにタイやインドネシアでは、怒ってばかりいると「かわいそうな人」と思われるそうです。「この人はまともな教育を受けてこなかったので、こんなに怒ってばかりいるんだろう」と蔑まれます。怒っても損しかしないということです。
では、イライラしたらどうするか?「深呼吸する」「無理にでも笑顔をつくる」「甘い物を口にする」。私の経験上、この3つが効果的です。ぜひ参考にしてください。
外国人と働く上では
「無自覚の差別意識」が最大の敵
私は仕事柄、技能実習生がいる会社を訪れる機会が多くあります。実習生が活き活きと働けているかどうかは、彼ら彼女らとともに働く日本人社員と5分も話をすればわかります。実習生について語るとき、たとえばこういった表現が出てきたら、ダメな職場環境と思って間違いありません。
千葉祐大著、Yukoイラスト
「日本より後れた国から来た人」
「貧しい社会環境で育った人」
「ちゃんとした教育を受けてこなかった人」
何がダメかって、相手を完全に見下しているじゃないですか(苦笑)。こういう言い方をする人は心の中で、「あなたの国は後れている。だから、あなたもレベルが低い」と思いながら実習生と接しています。だから無意識のうちに、相手を蔑む言葉が口をついて出るのです。当然ですが、自分を下に見る同僚に心を開く人なんていません。こんな暗黙の差別が充満した職場で、実習生が活き活きと働けるわけがないでしょう。
外国人材とうまく協働していくうえで最大の敵になるのが、こうした無自覚の差別意識です。まずはこの意識を完全に取り払うことが、何よりも先決といえます。