骨盤のゆがみは放置してはいけない
以上のように骨格にゆがみがあると、その部位周辺の筋肉は緊張して硬くなります。たとえば、骨盤や肩甲骨など、左右均衡であるはずの骨格が、片側だけ下がっている場合、反対側の骨格は引っぱられ、その周辺の筋肉は緊張を強いられます。
自力整体では、「骨盤の調整」を最も重要視しています。なぜなら骨盤は人体の骨格のベースであり、とくに「骨盤のゆがみ」は全身に影響するからです。
骨盤のゆがみを放っておけば、やがて歩行困難、排尿障害など、日常生活に支障をきたすこともあります。女性の場合は、月経前症候群(PMS)や重い生理痛、不妊、難産、更年期・老年期の不調が出やすくなります。
男女にかかわらず、日ごろから骨盤のゆがみを点検・調整し、さらに骨盤をしっかり支えるために、骨盤周辺の筋肉を強化しておくことが大切です。
「ゆがまない骨盤」をつくる手軽な方法
骨盤のゆがみの原因は日ごろの悪姿勢・座りっぱなしなど様々ですが、運動不足や加齢にともなう骨盤周辺の筋肉群の筋力低下も原因の一つ。骨格や関節がズレやすくなるからです。
足腰の健康には、骨盤を支える骨盤周辺の筋力を強化して、骨盤を引き締めておくとよいでしょう。とくに「中殿筋」「大殿筋」の強化を意識するのがおすすめです(※図参照)。
きつい筋トレのような激しい運動ではなく、継続できることが最優先。日常生活の中でムリなく実践できる「ながら」ワークがおすすめです。
最後に、「太もも結び」のワークを紹介しましょう。太ももをタオルで縛り、お尻に力を入れるだけで中殿筋・大臀筋が鍛えられ、骨盤のゆがみを予防・改善できます。テレビ鑑賞中や食器洗い中など、「ながら」でおこなうのが継続の秘訣。70代の私の父は大相撲のテレビ中継を見るときなど実戦していることもあり、足腰は元気で痛みとは無縁の生活です。
ワークは次のとおりです。
ゆがまない骨盤をつくる「太もも結び」のワーク
画像を見ながらおこないましょう(※画像は書籍『すごい自力整体』より)。
◎「太もも結び」のワーク
※タオルを用意しましょう
【手順】
◆タオルで「もも」を結ぶ。タオルの位置は自然とお尻に力が入る場所がベスト
※効果:中殿筋や大殿筋を鍛え骨盤のゆがみを予防・改善
※ポイント:脚を開こうとすると、中殿筋・大殿筋が鍛えられます
※時間に余裕のある時は、書籍『すぐできる自力整体』で紹介している「驚くほどほぐれる4つのコース」(QRコードからスマホで視聴できる動画つき)も骨盤のゆがみ解消に役立ちます。
※『すぐできる自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています(★35分の動画も収録)。