書類を持ち、パソコンを見る女性写真はイメージです Photo:PIXTA

会社のお金を管理する重要な部署、経理部。それ以外の人たちにとっては、経費精算や売上金額の計上などで関わるが、実態をよく知らない部署かもしれない。今回は、経理のプロとして、ビジネスパーソンに知ってほしい「経理部から嫌われるNG行動」をお伝えする。(公認会計士 白井敬祐)

懲戒解雇や訴訟に発展するリスクも!?
経理に嫌われるNG行動とは?

 あなた、経理部から嫌われているかもしれませんよ――。

 経理部は、会社の資金の流れを管理する重要な部署です。社員が使用する経費や、獲得した契約などは、全て経理部を経由して決算書に反映されます。これらの契約内容や経費は、適切に経理部へ報告する必要があります。

 あなたは期限内に領収書を提出していますか?

「領収書の提出くらい多少遅れても問題ないだろう」と考える方もいるかもしれません。しかし、経理部にとってはこれが重大な問題となります。

 前月の決算書がようやく完成したと思った矢先、「申し訳ありません、先月分の経費の領収書を提出し忘れていました」などと軽い態度で報告されれば、決算書が作り直しになります。経理担当者の立場からすれば、看過できません。

 このような状況が続けば、経理部から強い不信感を抱かれ、その後の業務に支障を来す可能性があります。一度経理部との信頼関係が損なわれると、わずかな提出遅延も容認されず、経費の事業関連性について通常以上に厳密な審査を受けるなど、あなたの業務効率にも悪影響が及びかねません。

 領収書の提出遅延以外にも、経理部との関係を悪化させる行為はさまざま存在します。中には、歯止めがきかなくなり、不正にまで手を染めて懲戒解雇や刑事告発といった深刻な事態に発展する可能性も……。実際に、そのような事例は少なくありません。

 今回は、経理部から嫌われる特徴的な3つのNG行動と、それらが引き起こした実際の事件を紹介します。