カカオ相場は昨年、コモディティー(国際商品)の中で最も好調に推移し、暗号資産(仮想通貨)ビットコインさえしのぐほどだったが、それでも栽培をやめる農家が後を絶たない。世界最大のカカオ生産地域の農家は、天候不順や政府の失政(その多くは農家の支援を目的としていた)、作物を破壊するウイルスの急拡大が重なり、別の作物への切り替えを進めている。その結果、チョコレート愛好家にとっては価格上昇という形になり、西アフリカの伝統的なカカオ大国であるコートジボワールとガーナの生産量は急激に落ち込んでいる。ジョン・アト・サッキーさん(55)は、ガーナのアシン・エンスアエムで父親から相続した12エーカー(約4万8500平方メートル)の農場で、30年余りにわたってカカオを栽培してきた。2022年までの20数年間、農場は毎年約5000個のカカオポッド(カカオの実)を安定的に生産していた。カカオポッド1個から約3.5オンス(約100グラム)のダークチョコレートバー(カカオ70%)が生産される。
カカオ農家、記録的高値でも栽培やめる訳
天候不順・政府の失政・ウイルス急拡大により、カカオ大国の生産量が減少
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