「いつも気を使い過ぎて、心が疲れてしまう」「このままで大丈夫なのか、自信がない」と不安になったりモヤモヤしてしまうことはないでしょうか? そんな悩みを吹き飛ばし、胸が晴れる気持ちにしてくれるのが『精神科医が娘に送る心理学の手紙――思い通りにならない世の中を軽やかに渡り歩く37のメッセージ』です。悩む人たちに40年以上向き合ってきた精神科医が、自分の娘に「どうしても伝えたかったこと」を綴った本書は、韓国で20万部を超えるベストセラーとなりました。本記事では、その内容の一部を紹介します。
人生なんて大したことない
いつだったか、「苦しい」とこぼした私に母はこんなことを言ってくれた。
「人生なんて大したことないよ。楽しんで生きなさいよ」
きっと母は、「生きるほどに苦しみが増すのが人生だ。だから、なおのこと生きる楽しみを見逃してはいけない」ということを伝えたかったのではないだろうか。
まだ10年も生きていないのに、生きる興味を失った子どもたちがいる。
親に怒られるから仕方なく動き、先生に何か言われるのが嫌だから動く。
これではまるでロボットだ。
人は皆、旺盛な好奇心を抱き、生きるエネルギーいっぱいにこの世に生まれてくる。
しかし、過剰な教育や先取り学習、行き過ぎた競争意識は、子どもの好奇心の範囲を越えて、何の楽しみも感じられなくする。
『論語』に私が大好きな一節がある。
「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」
この一節のとおり、楽しみながらやっている人は最強だ。
変化の激しい時代に追いつくために学ぶべきことも多い。
ところが、「~べき」となった途端、意欲も失われ、新たに学ぶことがストレスになる。
そんなときこそ、好奇心を失わず、楽しく生きるための努力が必要だ。
だからきっとお婆ちゃんも、私に「楽しんで生きなさい」と言ってくれたのではないかと思う。
過ぎた時間は二度と戻らない。
だからこそ、そんな大切な時間を不平や愚痴をこぼすことに費やすほど愚かなことはないと思う。
「人生なんて大したことないよ。楽しんで生きなさいよ」
(本記事は『精神科医が娘に送る心理学の手紙――思い通りにならない世の中を軽やかに渡り歩く37のメッセージ』の一部を抜粋・編集したものです)