ドナルド・トランプ次期米大統領は、自身の政策課題の多くを一つの包括的パッケージとして議会が法制化するよう提案している。移民やエネルギー、税制に関する法案を寄せ集めたパッケージだ。この取り組みは与野党の議席差が極めて小さいと次期政権が認識していることから生まれたものだが、複雑でリスクが高く、野心的なものだ。それは反民主主義的であるかもしれない。数学モデルを用いたわれわれの研究の結果、法案の作成者が互いに無関係な政策を1本の法案に束ねた場合、個別法案なら決して賛成票を投じない政策への同意を議員らに強要しうることが分かった。こうした複数の異質な分野における重要な政策を「1本の大きな素晴らしい法案」に統合すれば、トランプ氏は米国の有権者や議員の大多数が反対していても不人気な政策を国法にすることができるかもしれない。
【エッセー】トランプ氏の包括法案は反民主的
関連性のない政策を一つの法案に束ねると、多くの有権者や議員の望みを阻みやすくなるとの研究がある
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