「将来のお金が不安」「貯金や投資なんて余裕はない」「買い物を楽しめない」──お金の悩みは尽きることがない。そんな中で「若い人ほど読んでほしい」「お金の知識を網羅的に学べる」と絶賛の声を集める本がある。『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』だ。誰でも今日からスタートできる「お金の増やし方」を提示し、世界で累計100万部突破した大ベストセラーだ。Amazon.comでは1万件以上の星5レビューが集まり、全米から世界中へと本書の実践者が増えている。本稿では本書から一部を特別に公開する。

【NISA】積立投資vs一括投資、ホントはどっちが資産を増やせるか?Photo: Adobe Stock

積立投資の「2つの強み」

 ドルコスト平均法とは、保有する全資産を一度に投資するのではなく、毎月決まった金額を時間をかけて投資していく手法のことだ。

 なぜ、わざわざそんな面倒なことをする必要があるのだろうか?

 1万ドルを一気に投資して、その翌日に株式市場が20パーセント下落したらどうなるのか、想像してみてほしい。8000ドルまで下落した後、再び1万ドルまで回復するには、25パーセント上昇する必要がある。

 時間をかけて少しずつ投資した場合、そうした急激な下落に対するヘッジをかけられるというわけだ。

 また、株式市場が下落したときに、割安な価格で株を買うことにもつながる

 つまり、時間をかけて少しずつ投資すれば、市場の頃合いをはかろうなどと無駄な努力をする必要がなくなる。

 まさに私たちが実践している投資の自動化の本質だ。少しずつ投資するため、マーケットの動向をわざわざ予測する必要がなくなるのだ。

実は今すぐ一括で投資した方が、大きなリターンを得る確率が高い

 ここである疑問が生じる。

 巨額の資産を持っている場合、ドルコスト平均法で投資する方法と全資産を一度に投資する方法、どちらのリターンが高いのだろうか?

 バンガードの研究によると、答えは驚くべきことに、全資産を一度に投資した方が3分の2の確率でパフォーマンスが優れているという。

 マーケットが概して上昇する傾向にあるほか、株式と債券は現金をアウトパフォームするため、全資産を一度に投資した方がほとんどの場合、高いリターンにつながるというわけだ。もちろん、投資した直後にマーケットが下落した際には結果は変わってくる。

 いずれにせよ、私たちは毎月の給与の一部を自動的に投資に回しているため、すでにドルコスト平均法を実践していることになる。

 一方、すでにまとまった資金を持っている人は、一度にすべて投資した方が、ほとんどの場合において、高いリターンを得られることになるだろう。

(本原稿は、『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』からの抜粋です)