傾聴だけではなく共感が大事
そして感じたことを伝える
2つ目のポイントは「共感して傾聴する(共感的傾聴)」です。傾聴だけではなく、「共感的」とつくのが大事です。
メンバーの話を聴くときは、(1)相手の靴を履いて、聴くこと、(2)相手の感情を理解しようとすること、(3)善悪のジャッジをしないこと、(4)相手の感情を理解していることを伝える、を意識してみましょう。いわゆる「共感の4要素」といわれるものです。
ちなみに(1)は、英語では「put yourself in someone's shoes.」と表現され、相手の靴を履く(=相手の立場に立つ)ことで、共感が生まれるということです。
相手が語ってくれたことは、相手の過去の経験から培われたもの。それは「相手にとっての真実である」というスタンスで聴くことがもっとも重要です。
その上で、「○○さんは、こういうことを大切にしているのですね」と、自分が相手から感じたことを、口に出して伝えてみてください。
自己開示したことに対して、相手がどう感じているのかわからないと人は不安になるものです。そこを伝えられることで「この人は自分のことをわかってくれている」という感覚を覚え、さらにいろいろと話すようになっていきます。
メンバーの顔を思い浮かべると、「いやがったらどうしよう」「一緒にやってくれないのでは」と不安になる方がいるかもしれません。
確かに、いろいろな企業で実践すると、最初は難色を示すメンバーもいます。しかし、実際に実施すると、「自分の過去の出来事を話すのは抵抗があったが、自分のことが理解できてよかった」「マネジャーのことを知って距離感が縮まった、話しやすくなった」など、前向きなコメントが出てくるケースがほとんどです。
いろいろな不安はあるかと思いますが、「メンバーのためになる」と自信を持って、一歩踏み出してみてください。皆さんのメンバーは仕事以外の話が丁寧にできることを本当は求めているのです。