米ニューヨーク市クイーンズ地区にある「ガッチャ」は、50ドル(約7800円)で仏高級ブランド、エルメスのバッグが手に入る地球で唯一の場所かもしれない。必要なのは電光石火の反応スピードだけだ。この広さ約840平方メートルのゲームセンターでは、ボタンに素早くタッチすれば、3600ドル(約55万8000円)のエルメスのバッグ「ピコタン」や、600ドルのシャネルの財布、549ドルのアップルのワイヤレスヘッドホン「AirPods Max(エアポッズマックス)」を持ち帰れるかもしれない。全米のゲームセンターが、子ども時代に遊んだクレーンゲームやそれを現代風にしたゲームに、高額の景品を投入している。東アジアのゲームセンターの先例に倣い、うまみの大きい「キッダルト(Kidult)」市場をターゲットにしているのだ。つまり、内なる子ども(kid)の部分を呼び覚ますため、金に糸目をつけない大人(adult)の消費者たちだ。この変化に伴い、プレーヤーと、勝者をほとんど生み出さないことで知られるゲームセンター業界との長年にわたる戦いは激化している。
エルメスの50万円超のバッグが景品? 米ゲームセンター事情
子ども時代に遊んだゲームが衣替え、高額アイテムの獲得チャンスも
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