
首都圏の中学受験における、直近2026年入試のトピックの一つが、絶対王者サピックスの失速と早稲田アカデミーの躍進だ。早稲アカというと、子どもたちが鉢巻きを巻いて「エイエイオー!」という体育会系のイメージが強かったが、広告戦略を変え、さらにコロナ禍を契機に、筑駒や開成、桜蔭、聖光、渋幕など難関校の合格者数を一気に伸ばしている。昨年に創立50周年を迎え、勢いに乗る早稲田アカデミーの山本豊社長に次なる戦略と、「サピックス超えをする日」を聞いた。特集『わが子がもっと伸びる!中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】』の#6では、そのインタビューの「後編」をお送りする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
少子化による市場縮小は
他塾からのシェア奪取でカバー
――今年の受験者数や受験率を見ても、依然として中学受験ブームは続いているものの、ピークアウトは見えてきたかなと感じます。ここから少子化によって市場が小さくなっていく中、中学受験を主力とする早稲田アカデミーは将来的にどこに商機を見いだしているのでしょうか。小学校入学前でないとすると、小学校卒業後、高校受験に注力していく?
いえ。依然としてSAPIX(サピックス)さんをはじめ他塾に通われている生徒さんはたくさんいらっしゃるわけで、(中学受験を本格的に目指す)小学3~6年生の4学年に対し、どういったサービスを提供するかというところで真剣勝負していけば、まだまだ伸ばせると考えています。ですから少子化を見据えてさらに低学年を、ということは今のところ考えていないです。
ただ、会社全体では、中学受験だけではなく高校受験や大学受験、あるいは個別指導もあります。大学受験をする高校生を増やそうとか、個別指導に通う生徒を増やそうといった戦略・戦術は当然、組み立ててグループ全体を俯瞰した形で進めています。とはいえ、当面、首都圏の中学受験のところは、少子化は徐々に進んでも熱は引き続き高いですから、一気に崩れることはない。ならば、そこのシェアをもっと広げれば、十分にまだ伸び代があると考えています。
――では、新たな集団指導型校舎を増やしていく、もしくは既存校舎の定員を増やしていく戦略ですか。
そうですね。ただ新しい集団指導型校舎は、2年前に晴海校を出したのが最後で、去年は校舎を出しておらず、今のところ集団授業の校舎に関しては新校を出す予定がないんですよ。
――出すつもりがない。
いえ。うちの場合、ある程度、首都圏は面で押さえられてはいるのですが、良い条件があれば新しい校舎を出したい。ですが、今の不動産の情勢で賃料が高く、採算が合いません。
だから、今は1校舎当たりの在籍数を増やすことを積極的に進めるようにしています。その方が実は利益率も上がりますし。今年も例えば、とある校舎の人数が増えてきたので同じ建物の中で増床したり、隣の建物で2号館や3号館をつくったりしています。
――条件さえ合致すれば新校も出したいということですが、どういうエリアに注目していますか。
次ページでは、シェア拡大を目指す早稲アカの次なる戦略のほか、退塾率を大きく下げた驚きの対策法を聞く。







