彼女が持参したのは、浮気調査を依頼した際に提示された契約書と、その後送られてきた請求書と調査報告書です。
契約時に提示された見積もりは30万円。それが調査終了後には約140万円もの請求書が届いたのです。
「こんな金額、到底払えません。それに、どうしてこうなったのか、問い合わせても具体的な説明もなくて……」
うつむきながらも、なんとか説明しようとする彼女の声は震えていました。
D探偵社からの説明は「調査が難航した」「緊急対応が必要だった」という曖昧なもので、具体的な証拠や明細は一切ありません。
娘の学費のための貯金から
安い探偵社を選択
美紀さんは夫と小学生の娘2人と、裕福ではなくとも楽しく暮らしていました。
娘たちが学校に行っている平日は、近所のコンビニのパートで将来の学費をコツコツとためていました。
ある時期から夫の帰宅が遅くなり、今までほとんどなかった出張が増え、スマホのメッセージアプリにロックをかけるようになりました。美紀さんはだんだん夫の浮気を疑うようになり、娘たちのために真実を確かめるべく、学費のための貯金で探偵に調査依頼したのが事の始まりでした。
「娘たちのためにも、事実を知りたかったんです……。けれど、その決断がこんな結果になるなんて……」
美紀さんはなるべく費用を抑えるために、ネットで「業界最安値!結果とコストにコミットします!」といううたい文句のD探偵社に相談しました。
電話で話した担当者の穏やかな口調と親身な対応は、安心感を与えるには十分でした。
契約のために訪問したD探偵社の六本木のきれいなオフィスは、さらに安心感を深めてくれ、調査方法の説明も満足のいくものでした。
調査が始まり、決定的な証拠が得られたことで終了したと、担当者から連絡があり、その翌日に送られてきた請求書には約140万円という請求金額が記載してあったのです。
D探偵社は先に入金していた見積もり金額の30万円を差し引いた、112万2500円の支払いを求めてきたのです。