金額の内訳は、調査経費(車両費用・交通費・駐車場代)5万2500円と、調査費用(3人体制・3日間)135万円というものでした。
「見間違いかと思って何度も見直しました。D探偵社に電話して何かの間違いでは?と訴えましたが、請求金額に誤りはないとの回答でした」
調査報告書におかしな点
これでは浮気相手を訴えられない?
美紀さんから見せてもらった請求書には140万2500円と記載されていました。調査経費の詳細は記載されていませんが、張り込みや尾行に必要な車や駐車場、公共交通機関の費用で問題はなさそうでした。
調査費用は人件費のことで、3人体制×3日間×1万円×15時間の計算と予想しました。調査員1人当たりの単価は一般的ですが、調査員が3人で3日間、平均15時間調査していたことは、美紀さんにとって初耳でした。
依頼者によって、調査中の対象者の動きを「逐一知らせてほしい」や「知りたくないので報告書でまとめてほしい」など希望は違いますが、ショックを最小限に抑えたい美紀さんは後者でした。
平均15時間調査とは、夫が出かける朝8時から遅くなったとはいえ22時に帰宅した後も、1時間調査していたことになります。
調査時間と本当に調査員3人体制だったのかを確認したかったので調査報告書を見たところ、おかしな点がいくつかありました。
D探偵社が提出した調査報告書は、一言でいえば雑でした。
浮気相手の女性とホテルに数時間いた様子は、写真も鮮明で浮気の決定的証拠には十分なものでした。しかしその前後の行動や浮気相手の名前や住所など、訴えるために必要な情報がありませんでした。
美紀さんが夫を訴えるための必要情報はありましたが、浮気相手を訴えるには不十分な調査報告書でした。
また、調査報告書は調査の正当性を示すための一面もあるため、対象者に動きがなくても張り込みをしていたという裏付けのため、1時間ごとに経過写真(対象者の行動を監視している状況の写真)を撮影して、日時とともに「対象者に動きはないが監視を継続」などと記載するのが一般的です。
その他、調査の開始・終了や、通勤・帰宅の様子や、立ち寄った場所など、全く記載がありませんでした。ただただ浮気相手と密会していたことのみがわかる報告書でした。
浮気調査としての目的は達成されていますが、調査報告という点では雑そのものでした。これでは本当に何時間稼働したかもわかりません。
その後、契約書と請求書を精査したところ、契約内容の不審点が明らかになりました。