ここは完全な英語ビギナーを対象にしているため、さまざまな国籍の学生が、単語でコミュニケーションをするレベルから英語に親しんでいる。訪問した際にはサウジアラビアからの生徒も多く、それぞれが好む場所で1日1杯無料で受け取れる本格コーヒーを飲みながら、ゆったりとした雰囲気で英語に触れていた。森の中という立地もあって非常に和やかな空気がある。
留学期間が楽しくて、語学力も伸びる環境を作るべき
BECIカフェキャンパスはコースも明快で、スピーキング特化の1コースのみ。皆が同じパターンで動いているため連帯感も生まれやすい。全員が「完全ビギナー」というのは、学習者にとって、予想以上の快適さがあるものだ。それを証明するためにビギナーに限定しない小規模校に通ったビギナー学習者の葛藤を紹介する。
話を聞かせてくれたのは、ちょうど留学期間が1カ月すぎたという30代の女性。
「自分は英語力が完全にビギナーなのですが、偶然、いま留学にきている生徒さんの英語力が高く、まったく会話についていけないんです。英語だけを使って会話が成立してしまっているので、(そんな必要はないはずなのに)なんだか劣等感を抱いてしまい、そこに日本語で話しかけるのも気が引けます。始めの週などは、もうここにはいられないかもしれないと思っていた時もありました。結果的に、日本人の生徒さんに日本語も使って助けてもらってなんとか持ち直しましたが、とてもきつい時期もありました」
話を伺う限り、もし彼女が、このカフェキャンパスのようなビギナー専用の校舎、もしくは、様々なレベルの学生が通う大規模校に入学していたら、留学体験は大きく違っていたはずだと思う。
上記のように学校選びには「小規模校」か「大規模校」という選択軸もある。一見、小規模校のほうが面倒見が良さそうであるが、その時の生徒さんによって雰囲気が大きく左右され、自分の時がどうなのか予測がつかない。結果、上記の30代女性のように辛い体験になってしまう人もいる。その点、レベル分けを10段階以上で行うフィリピン式留学においては、大規模であればあるほど、ちょうど同レベルの学習者と出会えるという利点がある。
フィリピン留学は「スパルタ式」などという用語があるように、比較的ルールが多いのが特徴なので、きちんと取材を行うとそれぞれの学校で特色が大きく異なることが分かる。エージェントさんに勧められるままに決めてしまうのではなく、学校に直接問い合わせるなど、望む留学に近づける情報収集が必要だ。