いつもより長めだった年末年始のお休み期間、2025年をどんな1年にしようかと思いを巡らせた人も多かっただろう。そんなとき毎年毎年、浮かんでは消える心のトゲが「英語習得」であるという人もいるのでは?翻訳AIもここまで発達した今「もう英語学習はいらない」のか「いや、こんな今だからこそ」なのか、「もう遅いのか、まだ間に合うのか」「そもそも、この歳になってから身につくのか」……それでも、やっぱり英語が話せるようになりたい、と考える方のために、“大人の留学を真剣に検討してみる”特別企画をお届け。まだあまり日本で知られていない「バギオ留学」について取り上げます。(大人の英語学習法リサーチャー 高野美穂)
35歳過ぎてからの英語留学で人生が変わる、こともある
かつて本連載で、“英語を読めるが話せない”状態での外資系企業勤務に限界を感じ、一旦IT企業を退職。36歳でカナダ留学に臨み、日本マイクロソフトへの転職を果たした男性のインタビューを掲載したことがある。この記事には多くの反響があった。彼が留学を決意してから約10年が経った今現在、どんな働き方をしていて、今の毎日をどう感じているか、当人から話を聞く機会があった。
「あの時は不安なことも多かったし、転職に苦労した時は『これはやってしまったのかもしれない』と感じた瞬間もありました(編注:会社を退職後留学に行ったことで職歴が空いたことが響き、しばらくヘッドハンティング会社からの連絡が途絶えた)。しかし、もしあの留学をしていなかったらと思うとその後のキャリアがまったく想像できない。語学という意味だけではなく、日本人的な……みんな横並びが良い感覚であるとか、行き過ぎた自己犠牲みたいな考えかたから脱却できたことも、今の日本人以外に囲まれて仕事をする(編注:今の会社は、チームの中に日本人がほとんどいない環境)ための役に立っていて、本当に思い切ってあのタイミングで行って良かったと思います」
現在は、留学前とは違う大手外資系IT企業に勤め、自身がもっとも快適に感じる環境で、リモートワークを交えて家族との時間も確保しながら、活躍されている。待遇面でも大きな変化があったという。つまり、不安を抱えつつも、いわゆる当時の“留学適齢期”を超えたあとに大人留学に踏み出して成功した一人といえる。
何歳になってからでも、英語は身に付く
「この歳になって今さら英語の勉強なんて……」と思う人もいるかもしれない。しかし、英語は何歳になってからでも身につく。
「言語である以上、正しい方法で正しく学べば何歳からでも英語は絶対に身に付きます」
これは、楽天で7年間英語研修を担当し、日本で最もたくさんの学習者を教えてきた英語学習コンサルタントであるセレンさんの言葉。つまり、何歳でも間に合わないなどということはないのだ。
転職や長期休暇など、ちょっとまとまった時間が取れれば大人でも留学はできる。あるいは、今はリモートで仕事をしながら英語を勉強するという選択肢もある。「人生を変える、ちょっと長めの大人留学」について、新しい年を迎えたこのタイミングで考えてみませんか?