アクティビスト(物言う株主)のアンコラ・ホールディングスは、米鉄鋼大手USスチールに対して委任状争奪戦を仕掛ける構えだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。アンコラは、USスチールの最高経営責任者(CEO)の解任や、日本製鉄による買収実現に向けた訴訟の取り下げを求めることを、株主に呼び掛けようとしている。関係者によれば、アンコラはUSスチールについて、他社への売却を求める意向はないという。USスチールは2023年後半、日本製鉄に140億ドル超で身売りすることで合意した。ジョー・バイデン前大統領は今年に入り、国家安全保障上の懸念から買収中止命令を出した。ドナルド・トランプ政権も、日本製鉄によるUSスチール買収に反対している。