“どれも幼稚園生の子どもに対して親が言い聞かせているようなことばかりじゃないか”と思う方もいらっしゃるでしょうが、まさにそういう“日々のお約束事の基本”をおろそかにしないでちゃんと実践することが重要なのです。

 自律神経とは、ある意味人間の生命活動のベースを生み出しているシステム。ですから、こういった幼い子どもをしつけるような「ベース部分の行動ルール」を手を抜かずに実践して、生活の基盤やリズムを整えていく必要があるのです。そのベースが整っていてこそ、自律神経がリズムよく働き出すと考えてください。近年は大人でも、「幼稚園生でも守れるような基本」ができていない人が少なくないので、決して甘く見ることはできません。

 そして、そのベースを万全に整えたうえで、さらに調子を上げていくには、日々陰徳を積んだり善行を積んだりして、できるだけ「よい行い」を心がけていくといいのです。普段から「よい行い」をしていると、自律神経が整い、心と体のコンディションが整えられて、健康、仕事、スポーツなどの調子が着実に「よい流れ」へと変わっていくようになります。

 だから、自分をよりよい流れに乗せていきたいなら、こういった「自律(自分を律すること)の大切さ」を十分理解したうえで、自分なりの行動ルールを決め、それを日々実践していくようにするといいのです。

他人や周囲を気にせず
確固たる意思で行動しよう

 ただ、自分を律するにあたり、肝に銘じておいてほしいことがあります。それは「あくまで、自分で決めて、自分の意思で行動する」という点です。

 言い換えれば、いちいち他人に左右されているようではダメ。「他人にほめられたいから正しい行いをする」とか、「他人や周囲が見ているからよい行いをする」というのもほとんど意味がありません。

 いまの時代は、他人の目を気にしたり周囲に振り回されたりする人が多いからこそ、自分の軸をしっかり持ったうえで、自分の意思で行動を律していく姿勢が大事なのです。

 それに、「自分はこうすることに決めた」「自分はこのルールで行動する」という確固たる意思のもと、自分の軸を持って行動するほうが、自律神経がよりよい状態に律せられやすいのです。そのほうが好調をキープしやすくなると言ってもいいでしょう。