![【名医が解説】口にするだけで自律神経が整う、朝一番の「ひと言」とは?](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/d/a/650/img_dab591e9f93c9cf3ba4bd6a00ffbcbd1213509.jpg)
医学的に自律神経は、意思に関係なく心身機能を制御している神経とされている。しかし、自律神経研究の第一人者である著者は、意識的に考え方や行動を変えていくことでコントロールできる神経だと唱える。自律神経が整い、心も体も調子が良くなるという、朝一番の「挨拶」とは。本稿は、小林弘幸『心と体が乱れたときは「おてんとうさま」を仰ぎなさい:人生が大きく変わる自律神経のルール』(草思社)の一部を抜粋・編集したものです。
自律神経は「正しい行い」で
「正しく働く」ようになる
自律神経は医学的には、意識的な努力に関係なく、自動的に心身機能を制御している神経だとされています。呼吸、血流、血圧、心拍数、体温、内臓の動き――そうした生命維持に不可欠な機能を私たちの意思を通さずとも勝手に自動調節しているシステムであるわけです。
そしてこれは、自律神経が「基本的に自分の意思ではコントロールできない」ということを示しています。
たしかに、「さあ、血圧を下げるぞ」「ちょっと心拍数を上げよう」とがんばって意識をしても、血圧を下げることもできないし、心拍数を上げることもできませんよね。まあ、「呼吸のリズムをスローにして自律神経を落ち着かせる」など、意識して調節できる部分も多少はあるのですが、一般常識的には「自分の意思や行動で意図的に自律神経をコントロールしたり整えたりするのは難しい」ということになっています。
しかし――私は長年自律神経を研究してきた者として、あえてこの「常識」に逆らいたいと思います。じつは、自律神経は意識的に考え方や行動を変えていくことでコントロールできる神経なのです。
そもそも私は、自律神経の「自律」という語には、「自分で(自分の行動を)律する」という意が含まれていると解釈しています。
つまり、「自律」とは、きちんとあいさつをしたり、散らかっているものを片づけたり、困っている人を助けたりといった「自分なりの行動ルールで自分を律すること」を意味しているということ。そして、普段からこうしたルールで自分を律して行動をしていれば、自律神経を整えて心や体の調子を上げていくことができる。簡単に言えば、「自律神経は、『正しい行い』をすることで、『正しく働く』ようになる神経」なのです。
日々、陰徳や善行を心がければ
心と体のコンディションが整う
では、その「正しい行い」とはいったいどういうことなのかと言うと、一番大切になるのは「基本的なルールをしっかり守ること」です。たとえば、「あいさつ」「早寝早起き」「片づけ」「整理整頓」「礼儀正しくする」「言葉遣いをていねいにする」「モノを大切にする」「他人に親切にする」といった、日常を気持ちよくスムーズに営むための“基本ルール”をまず徹底することがカギになります。