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いらない苦労は不要
当たり前のことですが、不要なものは不要です。しかし、苦労に関しては、いらない苦労にもかかわらず、わざわざ買って出る人がいます。
その傾向がある人は、自分が無意識にそうしていないか、一度振り返ってみるといいかもしれません。
苦労は買ってでもするものなのか
「苦労は買ってでもしろ」という言葉がありますが、私はこの考え方には疑問を持っています。
確かに、意味のある苦労には価値があります。しかし、ただやみくもに苦労することが必ずしも良いとは限りません。何のために苦労するのか、目的を明確にしないと、ただの無駄な労力になってしまいます。
苦労すると決めたなら、どこまで苦労するのか、限度を決めておくことも大切です。そうしないと、苦労が苦労を呼び、気づけば泥沼にはまってしまうことになります。真面目な人や、努力すればなんとかなると考える人ほど、この罠に陥りがちです。
苦労に意味を見出そうとする心理
苦労するからには意味があるはずだと思いたくなることがあります。しかし、それは希望的観測にすぎません。
実際には、いらない苦労は最初から不要だと決まっているのです。
大切なのは、その苦労が本当に必要なのかをしっかりと考えることです。必要だと判断すれば取り組めばいいし、不要だと思えば無理にしなくてもいいのです。こうした取捨選択ができると、無駄な消耗を防ぐことができます。
苦労が予期せぬ発見につながる可能性
もちろん、いらないと思っていた苦労が、別の大きな発見につながることもあります。偶然の出来事が思わぬ成果を生むこともあるのです。
しかし、それを期待して苦労を積極的に買いに行くのは、効率的ではありません。
苦労は、望んでいなくても自然に降りかかるものです。そのときにしっかり対応することで、自分の成長は促されます。だからこそ、わざわざ苦労を買う必要はないのではないでしょうか。
穏やかな時間を大切にする
人生には、穏やかでのんびりと過ごせる時期もあります。しかし、そうした時間は意外と長く続かないものです。何かしらの出来事が起こり、思いもよらない変化が訪れることは少なくありません。
だからこそ、穏やかな時期にはそれを存分に楽しむことが大切です。無駄な苦労に手を出すのではなく、リラックスして日々を過ごすことも、人生の大切な時間の一部なのです。
もし本当に苦労したいと思うなら、その苦労に目的があるのかどうかを慎重に考えてみるといいでしょう。そして、意味があると判断した場合のみ、自ら選んで苦労をすればよいのです。そうすれば、無駄な消耗を避けつつ、必要な成長を得ることができるはずです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。