誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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なぜ「現状を優先する」だけで選択ミスが激減するのか?
“理想主義”で失敗しないための考え方
今日は「選択肢に迷ったときにどう考えたらいいか」というテーマでお話ししたいと思います。
日々さまざまな状況があって、よいこともあれば悪いこともあり、どうすればいいか悩むことがありますよね。
そんなときに、ひとつの方針としてお伝えしたいのが、「理想より現状を優先する」という考え方です。このアプローチは、どんな状況でもたいていうまくいくと思っています。
理想を追いすぎて失敗していませんか?
現状を受け入れるだけでラクになる理由
私たちは、自分の頭で「こうするべきだ」「こうしたい」といった理想にとらわれがちです。しかし、理想に固執してしまうと、物事が思うように進まなかったり、行き詰まったりすることがあります。
そうではなく、現状をまず優先するほうが、結果としてうまくいくのです。
どういうことかというと、現実にこうなっているのであれば、その現状を受け入れたうえで次の行動を考える。このほうが、間違いのない選択肢を見つけやすくなります。
親友だったのに…
人間関係で理想を追いすぎて失敗しない
特に人間関係において、この考え方はとても役立ちます。「本当はこの人と仲よくしたい」とか「昔は親友だったのに、最近はうまくいかなくなってしまった」ということがありますよね。
この場合、理想を追い求めるよりも、現在つながっている人間関係を大事にするほうがベストです。つまり、現状を優先するということなのです。
長く親しくしてきた友人であっても、うまくいかない現状があるのなら、それを受け止めたうえで最善の行動をとるほうがよい結果につながります。
なぜ「現状をベスト」と考えるだけで
行き詰まりから抜け出せるのか?
また、理想として「こうしたい」「こうあるべき」と思っていても、現状がそれと異なる場合、「現状がベストである」という視点を持つことが大切です。
現状というのは、ある意味で最善の形を示していると受け止めるのです。そこを受け入れてから考えを進めることで、無理なく前に進むことができます。
頭で考えすぎていませんか?
「現状を優先」するだけで迷いを手放すコツ
私たちは、どうしても頭を使いすぎる傾向があり、「理想」や「べき論」で現実や自分の気持ちを上書きしてしまうことがあります。これが問題の原因になることが多いのです。
ですから、やはり自分の現状をよく見つめ、まずは受け入れることが大切です。現在、自分は快適なのか、不快なのか。本当にこれをしたいのか、あれをしたいのか。
現在の人間関係は良好なのか、それともそうではないのか。そうしたことを丁寧に見つめ直したうえで、そこから次の選択肢を考えると、大きな間違いを避けることができます。
何かに悩んだときは、理想にとらわれるのではなく、まず現状を優先して考えてみてください。それが、きっとアナタをよい方向へ導いてくれるはずです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。