90年代~2000年代前半はある種の恋愛至上主義的な風潮が強くあったので、“今がおかしいのではなく、当時が異常だった”という解釈もあり得ますが、少なくとも恋愛が人生全体の中で重要な位置を占めている、という価値観を持つ若者は少数派になっているのです。
また同じく生活総研が19~22歳男女を対象に実施した「若者調査」のデータを見ると、「デートをする相手がいる」という人は1994年段階では54.8%と過半数だったのに対し、2024年では32.7%と3人に1人以下となりました。
データを見る限り、若者の恋愛離れ傾向は確かに進んでいるようです。
また、この流れに拍車をかけるような意識変化も見られています。
例えば、前述の「若者調査」では、「異性の友達とHな会話をすること」に「抵抗がある」という若者が増え、「付き合っている人がいても他の人とデートする」ことに、NOと答える若者の割合が増えています。
今の若者は以前に比べ、性的な話題への態度や恋愛観が保守的になっているのです。
この背景には、例えばセクハラ防止の啓発活動が大学内で進んでいたり、性や恋愛に関連したSNS上での炎上が彼らにとっては身近なものになっていたりすることがあります。性に関するコンプライアンス意識が高まることで、恋愛のハードルが一層上がっているのです。