娘も息子も母との親密度がアップ
母から子へ「暮らしぶりの遺伝」が強まる
そしてもう一つ注目したいのは、若者と母親との親密さが大幅に上昇していることです。
例えば、母親と共通の趣味がある若者は男女ともに大幅に増加しています。男性では1994年の19.5%から2024年には41.6%に、女性では 41.1%から60.0%に、ともに20%前後の大幅な増加となっています。
定性的な調査をする中でも、母子の交流はさまざまな消費の源泉になっていることが見えてきています。
例えば母子で共有しているものを聞くと、ファッションでは母・娘だけでなく、母・息子でもパーカーやシャツなどユニセックスなものが兼用されているようです。また美容では化粧品はもちろん、ヘアアイロンや光脱毛器などちょっと良い美容機器を母と一緒に使っている、という声が、男女ともに多くありました。そのほかにも、お酒類や旅行、レジャーなどさまざまな面で母親の影響は大きく、今の若者には母の暮らしぶりまで“遺伝”しているようです。
企業の視点に立てば、既に商品やサービス、ブランドのファンでいてくれる母親を経由して、若者層に新しいファンを獲得していく、というアプローチは意外なカテゴリでも成立する場合がありそうです。