1月29日、ソニーがCEO(最高経営責任者)の交代を発表した。経営体制に大きな変化がないように見えるが、実は水面下では早くも次期社長レースの号砲が鳴っているという。ソニーのトップ人事の真意を探るとともに、「ポスト十時」有力候補を公開する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
十時CEO誕生と同時に進む世代交代
早くも次期社長レースの号砲が鳴った
1月29日、ソニーグループがCEO(最高経営責任者)の交代を発表した。今年4月1日付で吉田憲一郎会長がCEOから退き、社長COO(最高執行責任者)兼CFO(最高財務責任者)だった十時裕樹氏が社長CEOに昇進する。
CEOの交代というと「大々的な人事異動」があったように聞こえるが、今回はそうはなっていない。依然として吉田会長、十時社長が代表権を持っており、「4月以降もグループの方針や組織体制に大きな変化があるとは思えない」(ソニー関係者)という。
CEO交代にサプライズのなかったソニー社員にとっては、あまり動きのない4月からの経営体制よりも、むしろ十時社長の後継者が気になるところだ。実は、ソニーでは静かに世代交代が進む裏で、次期社長レースが波乱の展開を迎えている。詳細は後述するが、今回の人事異動で次期社長候補に急浮上したダークホースがいるのだ。
次ページでは、ソニーのトップ人事の思惑を探るとともに、「ポスト十時」有力候補の実名を公開する。