2019年明るみに出た「給与未払い問題」と今回の「カップ再利用費過大徴収問題」の根っこは同じ…2019年12月の謝罪会見の冒頭で頭を下げるセブン-イレブン・ジャパンの永松文彦元社長 Photo:SANKEI
セブン本部が加盟店からコーヒーカップのリサイクル代を「12倍」で誤徴収していました。被害総額数十億円の計算ミスは、なぜ6年も放置されたのか?背景には「7pay事件」や「残業代未払い」と根っこを同じにする“深刻な組織の病”があります。(ノンフィクションライター 窪田順生)
1杯と12杯を間違える
巨大企業のあり得ない失態
近くのセブン-イレブンに行ってアイスコーヒー1杯注文して店員から12杯分の値段が請求されたら、皆さんどう思うだろうか。
「あり得ないだろ、そんな間違い」と鼻で笑う人も多いはずだが、全国約2万店のセブン-イレブンを統括するFC本部は、そんなあり得ない間違いを6年間も続けていたのである。
セブンのフランチャイズ加盟店では法律に基づいてアイスコーヒー用のプラスチックカップのリサイクル費用を支払うことになっていて、本部に一括で徴収されているのだが2019年度からの6年にわたって、なんと1カップと12カップ(1ロット)を間違えて過剰徴収していたというのだ。2万店あまりの加盟店が余分に支払わされた総額は数十億円に及ぶという(共同通信 6月3日)。
これだけでも衝撃的な話だが、さらに耳を疑うのはこれが「加盟店からの指摘」で発覚したという点だ。
セブンといえば、データと連携したサプライチェーンや、商品の消費期限や販売データをシステムで徹底的に管理していることで知られている。そんな大企業が1カップと1ロットを見間違えるなどの超初歩的ミスに誰も気づかず、しかも6年間放置をするというのは「うっかり」で済まされる話ではない。
では、なぜこんな「あり得ない間違い」が起きてしまったのか。さまざまな危機発生企業の内部を見てきた経験から言わせていただくと、セブン-イレブンが強い執着のもとで進めてきた「ドミナント戦略」に代表される拡大路線が限界に差し掛かってきたことによる「ガバナンス崩壊」が大きいと考えている。
根拠はこの「加盟店への12倍過大徴収」が始まった2019年度に相次いで発覚し、セブンのガバナンスに疑いの目が持たれた「7pay事件」と「残業代未払い」である。







