どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。
「急な体調不良で休む」人
皆さんは、体調を崩すことがありますか? 「ビジネスパーソンは体調が第一」と言われることもあるくらいですから、体調管理には気を使っている方も多いと思います。特に今期はインフルエンザを代表として、様々な体調不良に見舞われたという方も多かったのではないでしょうか。
実際、職場で出世する人は体調不良になることが少ないです。しかも中には、「体調不良になっても仕事を休まない」というモーレツ社員がいることもあります。この考え方は今の御時世に沿っていないですし、「他の人に移してしまう」とか、「回復が第一」など様々な意見があると思います。
しかし実は職場の上司や役員レベルからすると、そうとも言い切れない複雑な事情があるのもまた事実です。皆さんに真似してほしいわけではないのですが、今回はその「事情」について紹介していきましょう。
他を犠牲にしてでも限界まで結果を求めるスタイル
どんなことがあっても会社を休まないことは、上司からするととても心強いです。
例えば、あなたが上司として「重要かつ緊急性の高い仕事」を部下に任せないといけない時、次のうちどちらにその仕事を任せるでしょうか。
病気がちで毎月のように休む部下B
JTCでは前者の部下Aが頼られるケースが大半だと思います。仮に部下が突発的な体調不良で対応できなくなってしまうと、結局は上司がそれらを尻拭いする羽目になりますからね。部下が体調不良で休んだ分の仕事は、自分で残業などをして対応しないといけなくなるのですから。
つまり、「急な体調不良も起こさなそうだし、体調不良でもなんとか仕事を成し遂げてくれる部下」のほうが、本音では重宝すると感じてしまうわけです。これは表立っては言うことができませんが、一定、理解ができるのではないかと思います。
そうした結果として、「絶対に休まない社員」には多くの重要な仕事が振られるようになり、実績も積み上がっていくことで出世していくわけです。
何度も言いますが、あなたに真似してほしくてこのようにお話をしているわけではありません。ただし、あなたがもし役員以上を目指すのであれば、世の中に「他を犠牲にしてでも限界まで結果にコミットしようとする社員」が少なからず存在していることを理解したうえで出世競争に臨むようにしてください。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)