頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。

【職場にいる】仕事ができない人は「とりあえず会議」をする。仕事ができる人はどうする?Photo: Adobe Stock

参加者ごとの目的を伝える

ファシリテーターの1つ目の役割は、「会議の目的をずれないようにする」です。

会議の目的を「誰がみても齟齬がない」ように設定しなければなりません。

コンサル時代の社内会議をお話しします。

クライアントへの提案内容を確定させる会議に出席していたときのことです。

5名で会議が開かれ、クライアントの現状の課題や、解決の方向性、プロジェクトの体制や金額までさまざまな内容が議論されていました。

私自身は議事録を取る役割だったので、ひたすら会議の議事録を書き続け、要点をまとめていました。

しかし、ある瞬間に「西原はどう思う?」とプロジェクトリーダーから振られたのです。

私はまさか自分に振られるとは思いもよらなかったので、言葉に詰まったあげく「議事録を取る役割なので……」と答えてしまいました。

次の瞬間、リーダーから「お前のコンサルとしてのValue(価値)は何だ?」と、こっぴどく叱られた記憶があります。

会議に呼ばれた以上、会議の目的を達成するために、考えや意見を発言することが参加者全員に求められます。

しかし私はただただ、議事録係として自分を甘やかしていたのです。

たしかにプロジェクトリーダーからは「○○社の次期プロジェクト提案について、各自現状の○○社の本質的な課題や、解決の方向性の素案を考えてくること」と伝えられていました。

一方で私は「まだ半人前の自分には、そんな難しいテーマは関係ない」とたかをくくり、勝手に自分は議事録だけ取ればいいという設定で会議に臨んでしまったのです。

ファシリテーターにとって大切なのは、会議そのものの目的を明確にするだけでなく、会議参加者の「参加する目的」も定義することです。

私は、ファシリテーターであるリーダーが定義した「参加する目的」を、自分で勝手に「議事録を取るだけ」に変えたことで、会議全体の生産性を下げてしまったのです。

リーダーが叱るのも当然のことでした。

とはいえもちろん、社歴やスキルなどによって、全員に一律の参加目的を課すのは難しい場合もあります。

そういうとき、どうすればいいのでしょうか。少し具体例をみてみましょう。

【会議の目的】

自社の次期主力商品を3つの候補から決め、発売日を決定すること

【会議参加者の目的】

・A部長は本日の会議を通じて、商品を確定すること

・商品開発部のメンバーBさん、Cさん、Dさんは各3商品の競合商品との差別化ポイントを事前に言語化して、どの商品がよいか意見を出すこと

・新入社員のEさんは会議に参加し、商品開発の意思決定プロセスがどのように行われるか体感すること

いかがでしょうか?

会議の目的だけでなく、参加者の目的を明確にすることで、一人ひとりが積極的に会議に参加できる体制を整えることができます。

一般的には、会議の目的はあれど、会議の参加者ごとの目的まできちんと事前に定義することはめったにないのではないでしょうか?

生産的に会議を進め、目的達成を追求するファシリテーターは、会議がはじまる前に「参加者の目的」を明確に伝える役割があるのです。

(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)