ロシアはウクライナ侵攻から数カ月後、トルコに一連の巨額送金を行った。短期間で50億ドル(約7750億円)超を送金し、さらなる送金を約束した。表向きは、トルコ初の原子力発電所の代金だった。数十年来の計画で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領が推進してきたものだ。ロシアの国営原子力企業が建設・資金提供を行っていた。ニューヨークではこの送金が、ウォール街を監視する司法省の捜査官らの注目を集めた。その理由は、米国の一流銀行であるJPモルガン・チェースとシティグループがこの資金の流れを扱っていたからだ。事情に詳しい複数の関係者によると、捜査官らは、ロシアとトルコが2022年に原子力プロジェクトを利用して、ロシア中央銀行に課された米国の制裁を回避していたことを突き止めた。ロシアの技術官僚らは、JPモルガンとシティグループを通じて数十億ドルを友好国に送金し、そこからロシアの国家プロジェクトに資金を供給できるようにした。
制裁回避のロシア資金20億ドル、JPモルガンで凍結されたまま
ロシアによるトルコとの共同事業を通じた制裁回避を米司法省の捜査官が発見し、ロシア資金を凍結も差し押さえには至らず
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