ドナルド・トランプ米大統領が新たな任期を開始した数日間で、政権移行よりも乗っ取りに近い形で、広範囲に及ぶ野心的な政策を打ち出した。一方の議会は事実上、同氏との勝負を放棄しているようにもみられる。大統領の権限に関するトランプ氏の主張が司法の審査を乗り越えれば、米政界の権力バランスは大きく変わる可能性もある。連邦支出や行政府人事、さまざまな政策分野に関する前例のない権限が、議会を犠牲にして大統領府に集中することも考えられる。議会は移民保護に関する法律を可決したものの、トランプ氏はメキシコからの移民に関してはこれを一方的に停止。不法入国者による「侵略」の中で法律が「無効」になったと主張した。議会はまた、労働監視を担う委員会や職場差別を取り締まる委員会の委員の任期を定めたが、トランプ氏は先週、このうち数人を任期途中で解任している。