全米で何百万人という労働者が出社勤務を命じられている。しかし、スター社員や業績優秀者には、このルールは当てはまらない。
アマゾン・ドット・コム 、 AT&T 、 JPモルガン・チェース などの企業は最近、共同作業や従業員同士のつながりの必要性を理由に、従業員に週5日の出社勤務を指示した。KPMGの昨年の調査では、最高経営責任者(CEO)400人のうち8割近くが、今後3年以内に従業員は常時オフィス勤務になると述べた。
しかし労働研究者や採用担当者によると、他の人にはない技術や能力を持つ従業員は、他の従業員より柔軟な勤務を認められることが多い。こうした特権が与えられるのは、ノルマ以上の業績を達成したことのある従業員か、競合他社が引き抜きたくなるような頭脳やパーソナルブランドを持つ従業員だ。地位の高さで特権が認められることもあれば、どのチームに所属しているかによることもある。
かつて親身になってくれる上司と調整した在宅勤務は、今では特権だ。
「今はもう少し対象が絞られており、もっと『特権的』だ」。組織コンサルティング会社コーン・フェリーのシニアパートナー、ロン・ポーター氏はそう語る。同社は最近のリポートで、出社義務に例外を認める現象を「新たなハイブリッド階層制」と呼んでいる。「特定の仕事では、人材の獲得や引き留めに必要なものと判断されるかもしれない」
それでも例外を認める出社義務の規則は、同僚間や管理職と部下の間に、公平性を巡る軋轢(あつれき)を生むこともある。