中国政府はトランプ米政権によるさらなる関税引き上げと技術規制を回避するため、米政府に示す最初の案を準備している。これは、同国が貿易協議を進展させることに意欲的なことを示すものだ。一方で事情に詳しい関係者らによれば、中国側が準備している案は過去に機能しなかった貿易合意の内容を中心としており、米政界では中国政府との交渉のあり方を巡る議論が激化するとみられる。ホワイトハウスは中国政府が合成麻薬フェンタニルの製造に使用される化学物質の取り締まりを怠ったとして、4日から同国に10%の追加関税を課す方針。ただし米中両国はいずれも全面的な貿易戦争を開始する準備が整っていないとみられる。特に中国は経済が減速しているほか、習近平国家主席もドナルド・トランプ米大統領との交渉に意欲を示している。