投資家はドナルド・トランプ米大統領の新たな貿易戦争について、脅しに過ぎないとの見方を示してきたが、今のところそれは正しい。だが、今後は用心した方がいいかもしれない。メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は3日午前、米国が同国からの輸入品に25%の関税を課すのを1カ月延期することに合意したと明らかにした。その後に米株式市場が取引を終えた後、カナダのジャスティン・トルドー首相も同様の猶予が認められたと発表した。両国は国境警備を強化し、合成麻薬フェンタニルの密輸取り締まりを強化することで合意した。とはいえ、関税発動の延期が発表される前の3日の相場を見ても、それほど激しく下げてはいなかった。「休戦」が成立したことで、関税の直接的な影響を受ける多くの企業の株価は週明けの水準とほぼ変わっていない。これには、メキシコで生産し米国の消費者向けに販売している米自動車メーカーのフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)が含まれる。カナダドルとメキシコペソは反発し、対米ドルで上昇した。同様に、S&P500種指数も前週末と比べて大きく変わっていない。
市場はトランプ関税を過小評価しているのか
メキシコ・カナダとの1カ月の「休戦」で楽観論者の見方が裏付けられるも、本格的な貿易戦争に対する油断が生じている
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